あなたはその隣人を赦すことができますか

MY NEIGHBOR ADOLF お隣さんはヒトラー?ロゴタイトル

終戦から15年、1960年の南米・コロンビア。余生を過ごす男の隣家に越してきたのは、死んだはずの―――。
MY NEIGHBOR ADOLF お隣さんはヒトラー?人物写真

7月26(金より新宿ピカデリーシネスイッチ銀座ほか全国公開!

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NEWS新着情報

INTRODUCTIONイントロダクション

歴史に、「if」はないが、アドルフ・ヒトラーの「南米逃亡説」をモチーフに、実際に起こり得たかもしれない世界線を大胆なアプローチで描いた、ナチス映画の新たな系譜がここに誕生。監督は、本作が長編2作目となるレオン・プルドフスキー。隣人をヒトラーと疑うポルスキー役に、英テレビドラマ「ロンドン警視庁犯罪ファイル」(97~09)のマイク・ウォーカー警視役で知られる、デヴィッド・ヘイマン。ヒトラーに疑われるヘルツォーク役に、『マイ・プライベート・アイダホ』(91)、『アルマゲドン』(98)の他、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(00)を始め、ラース・フォン・トリアー監督のほぼ全作に出演しているウド・キア。

アドルフ・ヒトラーは存在していた!?

STORYストーリー

ホロコーストを生き延びた男の家の隣に越してきた、
アドルフ・ヒトラーに酷似した男。
終戦から15年を経て、2人の人生は、
南米・コロンビアで交錯していく―。
果たして、その正体とは?そして善き隣人とは何か―。

1960年の南米・コロンビア。第二次世界大戦終結から15年が経過し、巷ではアルゼンチンで逃亡生活を続けていたアドルフ・アイヒマンが拘束された記事で賑わっていた。ホロコーストで家族を失い、ただ一人生き延びたポルスキーは、町外れの一軒家で日々を穏やかに過ごしていた。そんな老人の隣家に越してきたのは、ドイツ人のヘルツォーク。その青い瞳を見た瞬間、ポルスキーの生活は一変する。その隣人は56歳で死んだはずのアドルフ・ヒトラーに酷似していたのだ。

ポルスキーは、大使館に出向いて隣人はヒトラーだと訴えるが信じてもらえない。ならばと、カメラを購入し、ヒトラーに関する本を買い込み、自らの手で証拠を掴もうと行動を開始する。正体を暴こうと意気込んでいたポルスキーだったが、やがて、互いの家を行き来するようになり、チェスを指したり、肖像画を描いてもらうまでの関係に。2人の距離が少し縮まった時、ヘルツォークが、ヒトラーだと確信する場面を目撃してしまう…。

PRODUCTION NOTEプロダクションノート

製作者のハイム・メックルバーグが語る
プロダクションノート

多国籍のスタッフ&キャストが結集した
プロジェクトの始まり

 まず何よりも、この作品を作ることはとても楽しかった。この切なくもおかしいタッチで描かれる映画を大きなスクリーンで観客に楽しんでもらうために、イスラエル、ポーランド、コロンビア、アルゼンチン、フランスから集まったスタッフ一同が力を貸してくれた。そして私は普遍的な物語を語るうえでは、言語の壁も文化的な違いも障害にならないことを確信した。人々を結びつけるにはユーモアが一番なのだ。

 レオン・プルドフスキー(監督・脚本)とドミトリー・マリンスキー(共同脚本)が本作のアイデアを提案したとき、私は興奮させられた。“究極の悪との和解”というありそうにない選択をコミカルなトーンで語るこの物語の誠実さに、極めて確かな説得力を感じたからだ。それは亡き父が私によく語ってくれたホロコーストの話に通じるものがあった。父の家族はほぼドイツ人に殺されたが、父自身は彼を助けるためにおのれの命を危険にさらしてくれたドイツ人によって救われたんだ。だから私は、善と悪を割り切るのは難しいということを知っていた。

 私たちはポーランドとラテンアメリカで多国籍のキャストを迎えて撮影することを夢見ていたが、まだ長編2作目の監督によって撮られる本作のために、望み通りの資金を調達するのは簡単ではなかった。しかし理想的なパートナーを見つけることができた。私たちのよき友人であるベータ・シネマがエステー(・ヤコフ=メックルバーグ/製作)と私に同様の情熱を示し、イスラエル、ポーランド、アルゼンチンから共同プロデューサーが加わって、この作品が十分に賄われるようサポートし、形作ってくれた。そして才能あふれるキャスティング・ディレクターのハイディ・レヴィットが、デヴィッド・ヘイマン、ウド・キア、オリヴィア・シルハヴィを配役してくれて、投資家たちの心を確実に捉えることができた。

舞台となる2軒の家を実際に建てて行った
撮影の舞台裏

 さらに素晴らしい撮影監督のラデック・ラドチュックの参加が決まったが、次なる大きな問題に直面した。主人公のポルスキーが隣人のヘルツォークを監視する場面が大部分を占めるため、その様子を描くには数多くのカメラアングルが必要になることに気づいたのだ。

 監督とラデックは、ポルスキーの家、ドア、前庭、裏庭のすべての窓から覗いたときに見えるであろう光景をひとつの本にまとめた。隣人の偵察が物語の根幹なので、この点で妥協することは絶対にできなかった。それらすべてのアングルを撮影できる2軒の家が見つからなかったので、私たちは撮影要件に沿った家をデザインし、実際に建てることにした。

 その結果、当初の計画通りの撮影が可能になっただけでなく、小道具を家に配置しながら数日間のリハーサルを行えたので、俳優たちは本物の家の感覚を得られた。彼らはこのうえなく最高の状態で、ポルスキーとヘルツォークを演じることができたのだ。

 主演を務めたデヴィッドとウドは、自分たちよりかなり年下の監督の話に耳を傾けていた。そして見事なアイデアを提案しながら、誰もが納得するように、物語の中心にいるふたりの不機嫌な老人を完璧に作り上げてくれた。

 テーマの重要性に加え、ダークなユーモアと十分に練られたドラマ性を持ち合わせた脚本のクオリティこそが、デヴィッドとウドがこの役を引き受けてくれた要因だと信じている。デヴィッドが「『裏窓』と『ラブリー・オールドメン』を足して2で割ったような作品だ。それがこの映画の本質だよ」と言った後、ふたりはそれぞれの役作りを始めたんだ。

 私たちはラテンアメリカのパートをコロンビアで撮影することにした。そして今、その判断を心から嬉しく思っている。現地のプロデューサーたちは、プロフェッショナルな素晴らしいスタッフをメデジンとボゴタから集めてきてくれた。彼らとポーランド、アルゼンチン、イスラエルから参加したスタッフは、いい作品を作るという目標において、制作過程では互いに楽しみながら監督のリーダーシップのもとで結束し、セットでは没入感のある雰囲気を作り上げていた。観客はこの映画を通して、そのような雰囲気を感じることができると思う。

COMMENTコメント

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(音楽家・劇作家)

すぐさま二回観た。「オススメの映画を一本」と聞かれたら、躊躇なく『お隣さんはヒトラー?』と返す。
「ナチス映画」なんていう括りで逆に興味を失うタイプの方にも「もったいないから観なさい」と言いたい。

サヘル・ローズ(俳優、タレント)

美しい音楽が語る心情
美しい映像が魅せる孤独

戦争を生き延びた人々が
その後どうなったのか

過去を忘れられるのか?
罪を忘れていいのか?

全てを奪われた隣人
全てを奪った隣人

生きる希望が、
復讐にかった瞬間…

笑い続け
泣き続けた、94分
今年度上半期、最高傑作

副島 淳(タレント)

数奇な運命で導かれた隣人同士。
この 2 人が織りなす様々な感情を動かす物語の数々に酔いしれました。
ユーモアからの後半のスリル満点な展開の振り幅の大きさに
エンターテインメントとしての要素が溢れんばかりに詰まっています。
2人の関係性がジリジリ、ヒリヒリゆっくりとしたペースで細かく変わっていく様子を
俳優陣が圧巻の演技力で表現し、没入感たっぷりになってからの怒涛のラストへ向かっていく様に
一種の愛の物語のように観終わったあとに色鮮やかな気持ちになりました。

ハリー杉山(タレント)

これまでのヒトラー作品とは違う角度から描かれた、
絶望的な悲しさと、怒りの奥に生まれる友情。
長い歴史と人間の恐ろしさを思い出しながら新たな感情に戸惑う一方、
クスッとも笑える、心が温かくなるような唯一無二な作品です。

春香クリスティーン(タレント)

重い題材なだけにどのように描かれているのか気になっていましたが、
思いもよらない角度からのアプローチでした。
物語のほとんどが隣り合う2軒で完結し、深く描かれている人物もたった2人だけ。
それにも関わらず、それぞれが抱える背景事情、歴史の重み、
そしてリアルな表現により奥行きの深い作品に。
「隣人同士」という設定だからこそ、より身近に捉えることができ、
もし自分だったらどんな心境になるだろう、どんな行動に出るだろうと考えさせられました。

マライ・メントライン(ドイツ公共放送プロデューサー)

「疑心暗鬼」と「執着」を極限まで極めると、その果てに存在するのは、
自らが積み上げた見解の成就なのか崩壊なのか。
本作ではそのあたりの機微というものが実に良く描き出されている。
けっきょくのところ「真相」なるものは、常に個人の想像力あるいは妄想力の、
微妙に一枚上のポジションに存在するのだ。
二人のオヤジが織りなす「深掘りしすぎな世界」のハーモニー、
その大いなる皮肉に涙せよ。一応コメディだけど。

敬称略・順不同

CASTキャスト

マレク・ポルスキー役 デヴィッド・ヘイマン David Hayman
マレク・ポルスキー役
デヴィッド・ヘイマンDavid Hayman
ヘルマン・ヘルツォーク役 ウド・キア Udo Kier
ヘルマン・ヘルツォーク役
ウド・キアUdo Kier
カルテンブルナー夫人役 オリヴィア・シルハヴィ Olivia Silhavy
カルテンブルナー夫人役
オリヴィア・シルハヴィOlivia Silhavy

STAFFスタッフ

監督 レオン・プルドフスキー Leon Prudowski
監督
レオン・プルドフスキーLeon Prudowski

1978年、ロシア・レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。13歳の時にイスラエルへ移住し、テルアビブ大学で学士号を取得。同校での卒業制作『Dark Night』(2005)はアメリカの学生アカデミー賞の最終選考作品となり、ヴェネチア国際映画祭でスペシャル・メンションを得た。トロント国際映画祭に出品された『パリから5時間』(2009)で長編デビュー。そのほかの作品にTVムービー「Like a Fish Out of Water」(2007)、TVシリーズ「Troyka」(2010)、「Family Album」(2015)、「L’attaché」(2019)、短編映画『Welcome and our Condolences』(2012)がある。

イメージ写真